僕と彼は腐れ縁で、そして僕は彼に嫉妬していたらしい③

SS(ショートストーリー)
僕と彼は腐れ縁で、そして僕は彼に嫉妬していたらしい②
前回①の続きです自分の過去を知る人がいない環境へ行くのは初めてのことだった。中学時代の僕を知る人間がいない。それはつまり、これまでの自分を知らない人たちの中で、新しい自分としてスタートできるとい...
②の続きです

「同じクラスじゃん!」

彼がどう思ったかはわからないが、僕は正直心強かった。

知っている人がいるから安心、というのもそうだが、クラスでも中心人物であった彼と行動を共にすることになれば、自然と自分も優位なポジションになれるのではないか。

そう思ったんだ。

今にして思うと、僕はとんでもなくスクールカーストを気にする人間だった。

仕方ないじゃないか。コンプレックスの塊にならざるを得ない境遇だったのだから。

見返したかったんだ。

僕という人間を認めてほしかった。

それは誰に?

クラスメイトか。それとも、女性に認められて「彼女」が欲しかったのか。

今となってもはっきりとはわからないが、多分両方だったのだと思う。

〇〇

僕と彼は最寄り駅で待ち合わせ、一緒に登校していた。

電車通学は初めての経験だった。

隣駅だったため、乗車時間はそれほど長くない。それでも、電車に乗って学校へ向かうというだけで、なんだか高校生になったことを実感した。

これまでの僕は、学ランにスニーカーという格好だった。

それが高校ではブレザーにローファー。

少し大きめの制服は、まだ体に馴染んでおらず、どこかダボついていた。

見慣れない制服に身を包み、いつもとは違う通学路を歩く。

いよいよ高校生活が始まるのだ。

そんな実感が、少しずつ湧いてきていた。

〇〇

さて、当時の僕には、ひとつ強みがあった。

それは、比較的早い段階からスマートフォンを持っていたことだ。

中学一年生の頃には、すでにスマートフォンを与えられていた。

そのおかげもあって、僕は周囲の人間よりもインターネットに精通していた。

当時は、高校入学を機にスマートフォンデビューする人も珍しくなかった時代だ。

僕は、その知識を活かして動いていた。

高校入学前から、mixiを通じて同じクラスになるであろう人間たちとコンタクトを取り、あらかじめLINEのグループを作った。

そして、僕がそのグループを取り仕切っていた。

今となっては、僕みたいな人間がクラスのLINEグループを作ったなんて事実は、僕自身しか覚えていないだろう。

そもそも、「クラスのLINEグループを作った人物」と聞けば、どんな人間を想像するだろうか。

クラスの中心人物。

少なくとも、当時の僕はそう思っていたのかもしれない。

自分から動き、周囲とつながり、集団の中で存在感を示す。

そういう行動を取ることで、僕は自分の立ち位置を確保しようとしていたのだと思う。

④に続く

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