社会人4年目の平凡なサラリーマンです。YouTubeに動画投稿してます。
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緊急事態宣言で店が休業になり、ニートしてた時の話①

SS(ショートストーリー)

第1話「モラトリアムの延長」


2020年4月1日

とうとう僕は社会人になった

大学1年の時からこの瞬間をいつも憂慮していた

高校生の頃は当分先の事だから余裕があったけれど

刻一刻と迫ってくるカウントダウンは、恐怖となって僕の心を支配する

こうして1人の青年が憂いている最中、世間は例のウイルスの話題で持ちきりだ

テレビをつけると、どのチャンネルも同じ話題

物語の主人公にでもなった気分で「なんだこれ…」と呟いてみる

なんにせよ異常な事態だと理解するのに、多くの時間はかからなかった

○○

僕が就職した会社はBtoCの店舗型ビジネスを展開している

百貨店や駅施設、大型SC(ショッピングセンター)に出店する何の変哲もない業種である

入社式で人事課長から告げられた僕の配属先は、都心の店舗だった

3日間勤務したあとの土日は公休だったのだが、この2日間は生きた心地がしなかったのを覚えている

新しい環境、社会人という未知の世界、無理やり嵌め込まれた規則正しい生活

これらは僕の心に多大なストレスを与えるには充分だった

接客業は大学のアルバイトで経験済みだったのに、それを遥かに凌ぐレベルできつかった

社会人になって4回目の出勤日

その日上司から告げられたのは、明日から営業停止になるということだけだった

4月7日 幸か不幸か、世界的なパンデミックは僕に猶予をもたらしたのだった

第2話に続く

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