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大学オタサー物語②

SS(ショートストーリー)

第2話「サークル崩壊は唐突に」

前回のお話の続きです

どうしてこのサークルに入ろうと思ったのか、正直よく分からなかったけれど

多分ノリと勢いだったと思う

そんなこんなで僕たちは一次創作サークルに加入することになる

〇〇

結果的になんやかんやで満喫していた

やはり2次元コンテンツを好きな人が集まるだけあって、話しやすい人が多い

人見知りなので慣れるまで多少時間がかかったけれど

それはそうと、もうすぐ年末ということで忘年会(という名の飲み会)があるらしい

「え、この日バイト入ってるじゃん」

僕はあっけなく不参加の返事をしたのだった

まあ飲み会って高くつくし、節約できたということにしておこう

しかし飲み会の翌週、緊急ミーティングが開かれることになった

〇〇

部室のドアを開けると、重苦しい空気が広がっていた

「…」

普段来ないような人も集まってる

結論から言うと飲み会で起きた事件が発端のようだ

最初は楽しく飲んでいたらしい。しかしお店側の不手際でソフトドリンクを入れるはずのグラスに酒が入って提供されたのだ

サークルには1〜2年生、つまり未成年もいる

そのうちの1人が、それに気づかず飲んでしまった結果、急性アルコール中毒で搬送された

現場にいたわけではないので詳しくはわからないが、そんな状況でも4年の先輩たちはベロンベロンに酔っていて、むしろ嘔吐したりしていて全く対処できなかったそう

それに激怒した3年生たちが、今回の緊急ミーティングを開いたってわけだ

今回の事件は発端に過ぎず、3年生たちの不満がとうとう爆発した形だ

なぜならこのサークルは表向きはみんな仲が良かったが、実は2つの派閥に分断していたのだ

作品作りに打ち込みたい派(3年)と、ゆるく楽しみたい派(4年)だ

「今回はこのサークルの今後のために、みんなに集まってもらいました」

3年生の代表格であるエミ先輩がみんなの前で話し始める

「今回の飲み会で先ほども説明した通りのことがありました。お店の不手際というのもあるけど、それにしたって4年生のあの対応は正直あり得ないと思います」

「あのっ、私は大丈夫です。全然気にしてないですし」

救急車で搬送された1年生の女の子が何やらフォローをしているようだ。まあ、この状況で何を言っても火に油を注ぐだけなのだが

「…すみませんでした」

4年生たちはとても沈んだ顔をしていた。いつもあんなに楽しそうに遊戯王してたのに

こうして4年生は責任をとるという名目で自らサークルを去っていった

この事件をきっかけにサークルは急速に変わっていくことになるのだが、この時の僕は知る由もないのである

第3話に続く

大学オタサー物語③
月日は流れ、僕らは3年生へと進級した

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