最近、『よふかしのうた』というアニメを観ている。
まだ4話までしか観ていないので、この作品について深く語れるほど何かを知っているわけではないのだけれど、ひとつ気に入ったフレーズがあった。
「人はなぜ夜更かしをすると思う?観たい番組がある?やりたいことがある?明日への不安?
それらは全て一つの原因に収束する。今日という日に満足してないからだ。」
この言葉を聞いてから、なんとなく「夜」について考えるようになった。
夜はなぜ、こうも魅力的なんだろう。
元々僕は早起きが苦手で、夜型の人間ではあるのだが。
昼の街には、役割がある。
仕事に行く人がいて、学校に行く人がいて、買い物をする人がいて、それぞれが生活を送っている。
自分もその中の一人だ。
会社員として働いて、家に帰れば家庭があって、明日の予定があって、その先には将来のこともある。
昼間はどうしても「ちゃんと生きなければ」という空気がある。
でも夜になると、それが少しだけ薄まるような。
人通りが減って、店の明かりだけが残って、同じ街なのに違って見える。
誰かに急かされることもない。
何かをしなければいけないわけでもない。
ただ歩いているだけでもいい。
〇〇
大学時代に一人で夜の新宿を歩いたことがあった。
缶チューハイを一本買って、それを飲みながら歩いた。
たぶん大学2年生くらいだったと思う。
別に誰かと待ち合わせをしていたわけでもない。
何か目的があったわけでもない。
一人で新宿を歩いて、そのまま帰るだけ。
今思えば、ずいぶん意味のない時間だ。
大学時代はそんな無駄な時間が、いくつもあった
夜の新宿を一人で歩いている自分は、なんとなく自由を謳歌しているようで、今以上に不自由だったのだと思う。
夜の魅力は何か特別なことが起こることじゃなくて
「何もしなくてもいい」ということなのかもしれない。
目的地なんてなくてもいい。
もちろん、実際には夜更かしをしたところで、また明日は来るし、
仕事もあれば生活もある。
大人になればなるほど、時間は有限になっていく。
だからこそ、何の役にも立たない無計画な夜の時間が、妙に贅沢に感じる。
大学生の頃は夜中まで起きていても、それほど不思議じゃなかった。
アニメを見たり、友達と飲んだり、終電を逃して街を歩いたり
まだ何者でもなくて、未来も今ほど具体的ではなくて、夜の街を歩くだけで少しワクワクできた頃。
あの頃の自分は、今より楽だったのかもしれないが、実家に住んでいて、学生という立場があって、できることにも限りがあった。
だから今度、久しぶりに夜の街を歩いてみようかなと思う。
何かをするわけじゃないが。
そして、もしかすると僕が夜に惹かれているのは、夜そのものではない。
あの頃の自分が感じていた感覚をもう一度味わいたいだけなのかもしれない。

