僕と彼は腐れ縁で、そして僕は彼に嫉妬していたらしい④

SS(ショートストーリー)
③の続きです

「いいの? 私なんかで。だって、〇〇くん、イケメンだし」

人生で初めて彼女ができた。

彼女を好きだったわけではない。とにかく「彼女」が欲しかったのだ。

中学時代、大多数から認められなかった僕は、自分に自信が持てなかった。

けれど、この言葉を聞いて、少し自信が持てたのかもしれない。

僕は本来、こんな扱いを受けるはずがないと、心の奥底では思っていた。
自分には価値があると思いたかったのだと思う。

付き合うことになったのも、搦手というか、真の実力ではない。というか、たまたまだ。

高校入学前、mixiで新入生にコンタクトを取っていたところ、向こうからメッセージが来た。それが知り合うきっかけだった。

送られてきたのは、当時流行っていたモバゲーの勧誘URLのようなものだった。

リンクを踏んでアプリをダウンロードすると、送り主に報酬ポイントが入る。そんな仕組みだったと思う。

「なにこれ?(笑)」

気まぐれに、そう返してみた。

すると向こうは「間違えた、ごめんね(笑)」なんて送ってきたので、そこから会話を展開していった。

言ってしまえば、顔も知らないような人とやり取りをして、実際に会って、付き合う流れになったのだ。

高校で彼女を作った、というよりは、ネットで彼女を作ったという方が正しいのだろう。

こうして僕は彼と同じく、「彼女」ができた。

〇〇

「私、今まで5人と付き合ったんだ」

「へ、へえ、そうなんだ」

「けどね、その中には本当に一瞬しか付き合ってない人も含まれてるからね!」

何気なく、過去の交際歴を聞いてみた。

平静を装っていたが、中学3年生の時点で交際歴が5人と聞き、少し、
というかかなり驚いた。

僕が知らないだけで、みんなそんなものなのだろうか。

彼女に対する見方が変わった。悪い方向に。
さらにその流れで彼女が性行為を経験しているという事実を知る。

正直、引いた。恐怖した。
中学3年生で、そこまで経験していることが。

表向きは変わらずにいたが、僕の中で彼女を見る目は変わっていた。

〇〇

女性から直接的に攻められたのは、初めての経験だった。

僕はひどく動揺した。

心臓がバクバクする。

僕が何をしたのか、具体的にはもう覚えていない。

どうやら、僕が取った何気ない行動がお気に召さなかったらしい。

ただ彼女から責められたことと、険悪になったことを覚えている。

人から攻撃されると、たとえそれが物理的な暴力でなくとも、これだけ締め付けられることを知った。

そうして、彼女と別れた。

そもそも搦手で得た彼女だ。前提が間違っていた。認識の違いやズレもあっただろう。

別れ自体は、別に大したことではなかった。

けれど、クラスでの人間関係も思い通りにいっていなかった僕は、塞ぎ込んでしまった。
慣れない環境で気を張っていたのもあり、疲れてしまったんだと思う。

もう二度と彼女は作らない。

そうだ、今までと同じ場所にいこう。

アニメを見よう。

学校に行きたくなくて、次の日は仮病を使って休んだ。

親の前で号泣したのは、何年振りだったろう。

⑤に続く

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