「ああ、コンビニでバイトしたい」
……?
自分でも意味がわからなかった。
今の時間は…多分、昼ごろ。
そうだ。今日は休みで、昼寝から目覚めたところだった。
たしかに僕は、大学生の頃、2年半コンビニでバイトをしていた。
けれど、別にそのバイトが好きだったわけでもない。
むしろ、面倒くさいと思いながら行っていた。
バイトを辞めて社会人になってから、コンビニでバイトしたいなんて思ったこともなかった。
それなのに、なぜか今日、目覚めた瞬間にそう思った。
今の仕事から逃げ出したい心情なのか。
それとも、この蝉の鳴き声が、僕をノスタルジーな気分にさせているのか。
少し考えてみる。
大学生の頃の僕は、今より確かに楽だった。
大学に行って、コンビニでバイトして、家に帰る。
仕事の責任もなければ、明日の仕事のことを考えながら眠ることもない。
そう考えると、あの頃に戻りたいと思う気持ちも、少し分かる気がする。
でも、あの頃の僕は、今より自由だったかというと、そうでもない。
実家に住んでいた。
親の目もあった。
大学という場所にも所属していた。
使えるお金にも限界があった。
自分の人生を自分で決められる範囲は、今よりずっと狭かったと思う。
つまり、あの頃は「楽」だった。
でも「自由」ではなかった。
今は、その逆なのかもしれない。
会社員として働いて、仕事には責任がある。
毎朝起きて、電車に乗って、仕事をして、夜遅くに帰ってくる。
正直、面倒くさい。
できることなら、もっと働かずに生きたいと思うこともある。
でも、自分で稼いだお金がある。
自分の生活がある。
自分で使えるお金も、昔より増えた。
だから最近思う。
結局、僕が欲しいのは「楽な人生」ではなく、「自由な人生」なのかもしれない。
そして、その二つを両立させるためには、やっぱりお金がいる。
お金があれば、嫌な仕事を辞めることができる。
働く時間を減らすこともできる。
年収が下がっても、もっと楽な仕事に移ることもできる。
長い休みを取ることもできる。
そして、もし本当にコンビニでバイトしたくなったら、週2、3日くらいコンビニで働いたっていい。
生活のためではなく、
「なんとなくコンビニで働きたいから」
という理由で。
それは、大学生の頃にはできなかった自由だ。
大学生の僕は、時間を持っていた。
でも、お金を持っていなかった。
今の僕は、あの頃よりはお金を持ち始めた。
でも、時間が足りない。
だったら、その両方を持てるところまで行けばいい。
だから今は、貯めるフェーズなんだと思う。
今の仕事が好きだから続けているわけではない。
ただ、今の仕事から得られるお金を、将来の自由に変えている。
貯金も、投資も、結局は同じだ。
未来の自分が、
「今日は働きたくない」
と思ったときに、
「じゃあ、休めば?」
と言えるようにするためのものだ。
そしていつか、本当に十分なお金が貯まったとき。
昼寝から目覚めて、
「ああ、コンビニでバイトしたい」
と思ったら、
本当にコンビニでバイトしてみてもいい。
大学生の頃とは違う。
生活のためでもない。
親に言われたからでもない。
将来のためでもない。
ただ、自分がやりたいと思ったから。
そうやって選べることこそが、
僕が今、働き続ける唯一の希望であり、お金を貯めている理由なのかもしれない。

