僕は高校生の頃から「働きたくない」という思いを胸に抱いて生きてきました。
辛いことをしたくない、楽に生きたいと心から願うからです。
仕事で摩耗する親をずっと見てきたからこそ、そういう思考が染みついていたのかもしれません。
僕は将来を考え、高校生なりにいろいろな職業を模索しました。
そして目を付けたのが役所勤務の「公務員」でした。
今回はその話をしようと思います。
公務員を目指した理由
小学生時代、身近な社会人は「親」と「親戚」と「祖父母」くらいしかいませんでした。
親は会社員で、それ以外は公務員でした。
僕が子供の頃に親から受けていた印象は「会社員=過酷な世界」でした。
一方で公務員の祖父母や親戚は、会社員の親に比べると比較的楽そうに見えました。(※とても失礼ですが、子供の考えることなので大目に見ていただきたい…)
そんなわけで、僕は高校生にして公務員を志すことになります。
大学の学部も公務員試験を見据えて選びました。
忘却された目的
僕は公務員になるため、少しでも公務員試験に繋がる勉強ができる学部を選択しました。
しかし大学に合格し、入学する頃には僕はそんなことすっかり忘れてしまうわけです。
とにかく自由な大学生活が心地よくて、将来の事や公務員のことを真剣に考えなくなりました。
学部の勉強すら、単位を落とさないくらいの必要最低限しかやりませんでした。
大学1年の頃は「2年生からやればいい。今からやってもどうせ内容忘れちゃうから」と言った。
大学2年になると「2年は全力で遊べる最後のチャンスだから、3年生から始めよう」と言った。
それっぽい理由をつけて後回しにしてきたわけですね。
そしていざ3年になって公務員試験の参考書を本屋で買ってくると
「地頭が悪いから、他の人よりたくさん勉強しなければならない」ということに気づき
「自分には公務員試験は向いてない。公務員は勉強できる人が目指すものなんだ」と言い聞かせ
仮に公務員になれたとして、楽じゃなかったらどうする?そうまでして頑張る意味はあるのか。そもそも自分の目指す自治体は人口が多く、倍率が高く、試験も難しい。地方の役所とは難易度が桁違いだ。
だから必死にやっても合格できない可能性のほうが高い。
・・・もはや公務員を目指したって時間の無駄なんじゃないか。
こんな風に色々理由をつけて公務員を目指すことを辞めました。
逃げて逃げて、最後には難易度と自分の能力の低さを言い訳にして諦める。
最初に言ったとおり、辛いことをしたくない、楽がしたいという願いから公務員を目指した僕は
勉強が辛くて、そして必死に努力して報われないことが怖くて、挑戦することすら諦めた。
そして見事に底辺会社員となり、毎日死んだ魚みたいな目をしながら通勤しています。
皮肉なことに、5年越しの伏線回収が果たされたというわけです。
楽がしたいからという理由で公務員を目指すのは、モチベーションを保つことが難しかったようです。
最後に
今では決して公務員の仕事が楽だとは思っていません。
ただ、労働環境は基本的に良いと思っています。
残業代はしっかり出る、休みも年間120日以上とれる、給料もそこらの中小企業よりも高く、年功序列でしっかり上がっていく。
底辺会社員をやっている僕からしたら、ありえないくらいホワイトな職場です。
なにより「売上」「利益」という概念から無縁ということが一番羨ましいポイントでもあります。
けど不思議なことに後悔は無いです。
あのときの自分が頑張って勉強して、公務員になるというビジョンが全く見えないからです。
文学的表現をするならば、自分が社畜になるのは「運命」だったと感じているのです。
社畜の戯言
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