USJがV字回復した要因を綴り、その手法を誰でも分かるように描いたマーケティング入門書
USJ再建に必要だった3つのビジネスドライバー
ビジネスドライバー・・・そのビジネスを左右する重要な要素、本質、衝くべき焦点、着眼点
①ターゲット層の再構築・・・「ハリウッドなど映画ファン向けのブランディング」という独りよがりなこだわりが、顧客開拓の可能性を閉ざしていた。ディープな映画ファン向けのブランディングで、ディズニーとの差別化をしようとしたことが裏目に
東京と大阪で商業圏も違うので、競合してるとは言い難い。したがって、ディズニーを意識した差別化に意味はあまりない。
なので子どもなど含むファミリー層も取り込むために、子ども向けのエリアを設置した
②テレビCMなどでブランディングの強化
③チケット販売価格の見直し・・・日本はサービスのクオリティは世界最高にも関わらず、価格だけは世界最低だった。単純明快、価格を上昇させ、販売数も増加させれば、企業の成長に繋がる。(それが難しいのだが、それを目指すのがマーケティング)
USJが変えたことはたった一つ「消費者の求めるもの」を的確に把握し、提供することだけだった
〇〇
企業成長に必要な要素は「技術力×マーケティング力」
これまで成長してきた日本の大企業は、技術力に特化してきた。マーケティング力がなくても、「良い製品」を作れば売れたからだ。しかし、今日では世界中で技術が成熟したことにより、通用しなくなった
「作ったものを売る」のではなく「売れるものを作る」ことが必然
作り手が良いと思ったものでも、消費者にとって良いものとは限らない(むしろ逆になりやすい)
マーケティングの本質とは
認知率(知名度)を上げ、ブランドエクイティーを築くこと(これをブランディングという)
ブランドエクイティー(brand equity)・・・消費者が持っている、そのブランドに対する一定のイメージ。消費者にとって購入の決め手につながる強いブランドエクイティーを「戦略的ブランドエクイティー」と言う
購入決定のビジネスドライバー・・・認知率×配荷率×山積率×購入率(トライアル)×再購入率(リピーター)×平均価格×購入頻度
どこの工程を改善すれば、売り上げを最大化できるのか考える
戦略・・・目的を達成するために、限りある自分の資源(ヒト、時間、金、モノ、情報など)を取捨選択する。取捨選択せず全てやろうとすることは、無意味に資源を分散させる。すなわち戦略がないということ
戦術・・・戦略を実行するための具体的なプラン
目的(最上位の概念)を達成するために、目標(ターゲット:集中する資源)を定める
※目的設定はシンプルかつ魅力的で、ギリギリ達成できる程度が好ましい
戦略的に考えるとは・・・目的→目標→戦略→戦術 の順番で考えること
戦略の4Sチェック(良いか悪いかを判断する)
①セレクティブ(選択的かどうか)・・・やるべきとこ、やらなくて良いことを明確にわかっているか
②サフィシエイト(十分かどうか)・・・選択した資源が十分あるか
③サステイナブル(持続可能かどうか)
④シンクロナイズド(自社の特徴と整合制が取れているか)・・・得意なことで勝負した方が確率は高い。不得意なことに依存していると危ない
優れた戦略とは、相手と自分の特徴の違いを、自分に有利になるよう仕向ける
消費者インサイト・・・消費者にとって隠された真実(需要)
★戦況分析→目的→who→what→how
what・・・ブランドエクイティの中で消費者が商品購入の根源的理由となるもの 例:ストレス発散
how・・・whatをwhoに届ける仕掛け(product、price、place、promotion)
強みと弱み・・・弱みは最低限の改善を。基本は強みを伸ばす。ただし、強みをかき消してしまう弱みは改善する努力をする
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