紐解いていけばすんなりと腑に落ちた。
なぜこんな単純なことが今までわからなかった?
その答えは、彼を認めたくなかったからなのだろう。
彼を認めてしまえば、否が応でも僕の失敗を認めることになるからだ。
実際にはそうではないのかもしれないが、当時の僕はそう思った……そして今もそれを否定できずにいる。
〇〇
僕は踠いていた。
放り込まれた水槽の中で、溺れないように。
既に溺れていたかもしれないが。
中学1年の頃、絵に描いたような根暗だった僕は、クラスのDQNに揶揄われていた。
振り返ると僕の行動に原因があったが、それは割愛しておく。所謂、黒歴史というやつだ。
僕が他人に対して嫉妬心を抱くようになったのは、この頃だったと思う。
中学2年に上がると同時に、僕は分厚いメガネを外してコンタクトを付けた。
眉毛も整えた。
部活のためにという名目だったが、本心は見た目を変えるためだ。
周りからの評価は何一つ変わらなかったが、1年の時より周りからの扱いがマシな気がした。
クラスのヤンキーやギャルからは、中学デビューしてんねぇとか、良いじゃん と貶されたり褒められたり。
そして中学3年に上がり、僕は彼と同じクラスになった。
彼はテニス部に属しており、運動ができた。
体育祭では団長を務め、校内では所謂目立つ人。
一途な彼女もいたが、周りからイケメンと囃されては女性にモテていた。
僕は当時、彼みたいになりたいとは思わなかったが、羨ましくないと言えば嘘になる。
一緒に遊んだり行動を共にするほど仲は良くなかったが、特段悪いわけでもなく、いれば話くらいはできる。そんな関係性である。
言ってしまえばただの顔見知り、もといクラスメイトであり、中学を卒業すれば関係の途切れる間柄であった。
のだが。
僕は彼と同じ高校に進学することになった。
僕らの通っていた中学からこの高校に進学する人はほとんどいない。
家からは近かったが、私立だったからだ。
これで僕たちは運命共同体。
すなわち、高校という新たな環境に2人で飛び込むことを意味した。
②に続く

