



フィリピンのセブ島に行った。
リゾート地、常夏の海のイメージが強い場所だけど、実際に歩いてみると、主要エリアですらかなり地元感が強い。
街並みはどこか、戦前の日本を思わせる。
むせかえる暑さの中、露店が並ぶが、当然冷房なんてない。
古い建物が立ち並び、崩れかけているものも多い。
日本でいうスラム街のような場所も珍しくない。
水道水は絶対に飲めないし、外食中ハエが料理に止まるのも当たり前の光景だ
正直、「物質的な豊かさ」という意味では、日本の方が圧倒的に上位だと思う。
でも、そこで生きる人たちを見ていると、少し考えさせられた。
有名なレチョン(豚の丸焼き)の店に入った時のこと

レチョンはフィリピン料理で1番旨かったかもしれない。ただの豚肉炒めとは違う。
というか、とにかく飯が全て美味しかった。フィリピン人と日本人は味覚が似ているのかもしれない。
そんな中で印象的だったのは、スタッフが踊りながら、歌いながら働いていたこと。
けれど接客態度というか愛想もよくて、皆楽しそうだった。
今にして思うと、働く人だけじゃなくて街ゆく人々も全体的にそんな雰囲気だ(観光客狙いで詐欺ろうとしてくる輩もまあまあいたが)
確かに日本は先進国で、清潔で、冷房もあって、比較的安全で、給料も安定している。
でも、その代わりに、本質的な自由を差し出している感覚もあった。
一方で、セブの人たちは決して裕福とは言えない環境の中で、少なくともその瞬間「楽しそうに働いていた」
もちろん、表面だけを見て語るのは安易だとは思う。
実際は大変なことが多いはずだし、綺麗事では済まない現実もある。
それでも、あの光景はなぜか印象的だったんだ。踊りながら、笑いながら仕事をする彼ら彼女らが
そもそも若いアルバイト的な人たちだから、正社員はまた違うんだろうけど
本当の豊かさとはなんなのか
度を超えた労働は、人間にとってマイナスなのかもしれない
いや、フィリピンだって労働時間は日本と同じように多いのかな
セブの街を歩きながら、そんなことを考えていた。


