気づいたらここにいた
もしも楽しいことがあったら、その10倍辛いことが待っている
ここはそういう場所だ
おまけに存在するだけで罪を重ねることになる
数えきれないほどの命を奪って、潰す
僕達の手はどす黒い赤に染まっていた
もはや取り返しがつかないほどに
にも関わらず生を許されているのは何故なのか
代償として、罪は幾重にも積み上がり、自分を縛る枷となる
つまり生きることを許されているのではなく、強要されているのだ
「あなたはどうしてここにいるのですか?」
「わかんない」
意味のないやりとりだった
それでも会話をするのは、少しでも気を紛らわすためなのかもしれない
「君は何故ここに?」
「私は…何か理由があった気がするけれど、何もなかった気もします。つまり分かりません」
「なんだそりゃ」
彼女の言葉がなんだか可笑しくて、ほんの少しだけ口角が上がる
「私達に希望はあるのでしょうか」
「さぁ?先のことは考えたくもないね」
「ですよね」
あぁ、会話が途切れた
刹那、僕の視界に彼女はいなかった
「さて、いこうか」
独り言を呟き、終わりなき路へと旅立っていく
遍く空は僕達に何を伝えたいのだろうか
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