これは新卒就活の時の話です
大学四年生──それは大半の人にとって、就職活動をしなければならない時期である
新卒で就職しなくても生きてはいけるが、どうせ就職するならこのルートが1番コスパがいいというのは確かだ
そして私も例に漏れず新卒カードを切ろうと、某化粧品メーカーの説明会に参加した。
会場は高級ホテルの広間で、100を超える就活生が着席してるように見えた
さすが有名なブランドを手掛けているだけあって、志望者も多いわけだ
一通り会社の概要を語られたところで、先輩社員3名による質疑応答の時間が設けられた
100人を超える就活生がいる中、質問しづらい雰囲気が漂っていたが、眼鏡をかけた女性が手を挙げた
「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。質問させていただきたく存じます。〇〇さん(先輩社員の名前)たちは、働かなくても好きなだけお金がもらえるとして、今の仕事を続けたいと思いますか?」
要はお金以外のやりがいを仕事に見出しているか?ということだった
先輩社員3名は皆、困ったように笑っていて、そのうち2人が口を開く。ちなみに営業部に所属している方だった。
「うーん・・・続けないかなw」
会場内でほんの少し笑いが生まれる
今にして思うと素直な人達だ。就活生の前なら見栄を張って「続けます」と言っても良いだろうに
そして残り1人、企画部所属の女性社員はこう言った
「あ〜・・・でも私はお金が貰えないとしても今の仕事をしたいかもです」
「自分のアイデアが商品として発売されることに喜びを感じられるし、四六時中化粧品のことを考えています」
クリエイティブな仕事をしている人は、このように答える人が多いと度々感じる
おそらくこの質問は、社会人はお金のために働いてるのか?という純真無垢な疑問を確かめたかっただけで、深い意図があるわけではない
そしてこの会場にいる就活生は皆、仕事へのやりがいだとか夢だとか、そんなものを模索している最中であった
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