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ノマドという生き方

社会・経済

人間は環境の違いに応じて、生物学的機能を変えるのではなく社会や文化の形を変化させてきた。

ノマドとは、特定の家を持たず移動しながら必要に応じて様々な場所に滞在する生活様式である。

そして長い歴史の中で人間は皆、そのような生活をしてきた。

1つの土地に家を建て、死ぬまで住み続ける近代的な生き方こそ人類史においては希有なのである。

この記事ではノマド的な生活をしながら現代を生きる人々に焦点を当て、そこで生まれる社会的な問題点や新たな価値について記述していく。

具体的な例

最近密かに増え始めている「キャンピングカーで移動しながら生活している人々

現在、日本で社会生活を送るためには「住所」が必要不可欠である。(郵便物や書類の受け取り場所として)

したがって、まずは固定された住所を持たなければならない。この問題は親戚や友達、家族に頼んで同居人として住民票を登録してもらう、あるいは賃貸の部屋を借りるなどで解決する。

キャンピングカーでの生活は必然的に様々な景色を楽しめると同時に、車の内装を自分色にしていくこと(内部に凝ったギミックのキッチンや収納を設置)も醍醐味である。

そんなキャンピングカーの駐車場所は道の駅やサービスエリア、有料駐車場などが定番だった。

しかし近年、車中泊を禁止する道の駅が増加している。その理由は「車畜」によるバッドマナーが蔓延したからだ。

車畜とはその言葉の通り、車を使う畜生である。車畜による車中泊トラブルが世間で話題になっている。

具体的には他の利用客の迷惑を一切考えないような長期滞在、冷暖房を付けるためエンジン付けっぱなし(騒音被害)、トイレの占有、駅の備品破壊行為、盗電などである。

全国でこのような状況が続いたため、車中泊を全面的に禁止する道の駅が急増している。

一部の利用者マナーが悪いことで規制されてしまう可能性がある。

車を利用して生活する者にとって、駐車スペースの規制が厳しくなることは死活問題だ。最低限利用者のマナーが伴っていないと、社会的に首を絞めることになるだろう。駐車場を管理する者にとって、占有や長期滞在は迷惑きわまりない行為である。

このように、住居に固定されない生活を送ることは、現代社会においてはデメリットしかないと思われがちだ。

しかし、様々な土地で暮らすことで旅行するだけでは見えない景色や、様々な人との出会いがある。このような出会いは様々な価値観に触れ、自分自身の感性を豊かにしたり、視野を広げることに繋がるだろう。


次に挙げるのは、現代的な働き方として最近流行っている「ノマドワーカー」についてだ。

ノマドワーカーとは、特定のオフィスを持たない働き方をする人々のことである。

仕事をする場所が自由なので、自宅やカフェ、公園などでも職場になる。PCとインターネット環境さえあればどこでも仕事できるのがノマドワーカーの強みだ。

仕事をする時間も自由なので、休日や休憩を自分の判断で決定可能である。そして、効率よく働けばその分高単価になり、自分の仕事が報酬としてしっかり反映される。

対してサラリーマンをやっていると、時間で給料が決まっており、早く仕事を終わらせても単価は上がらないことが多い。

これにより社員のインセンティブ低下が発生している企業も少なくない。

デメリットは自宅以外のカフェやワーキングスペースを使用する場合、場所代や交通費がかかってしまうことだ。

また特定のオフィスに通わないので、自己管理が出来なければ堕落した生活に陥りやすいというデメリットもある。

一番の問題は、収入が安定しないことだ。

会社員は最低賃金を保証されているが、ノマドワーカーは歩合制なので不安定な働き方である。

まあ、企業に属せば一生安泰という時代は終わっているように

ノマドワーカーという働き方は、多様な働き方を模索するきっかけにもなるのではなかろうか。


現代で最もノマドに近い生き方をしているのが「アドレスホッパー」だ。

アドレスホッパーとは、特定の賃貸物件や持家などの住居を持たずに、移動しながら生活する人の事である。

名前の由来は、島を転々とする「アイランドホッピング」から来ている。

主な職業は、同じ場所に通勤する必要のないWEB関連の仕事(WEBデザイナー、ディレクター、ライター、エンジニア)である。

また、会社に属しながらアドレスホッパーをしている人もいる。

住む場所は主にホテル、ゲストハウス、マンスリーマンションなどである。毎日の寝床をあらかじめ決めておかず、その場の気分で決めることによって毎日新たな発見があるようだ。

移動することで見つかる新たな発想との出会いや、人との出会い。

そこで身に付くスキルや知識を人生に活かすことが、アドレスホッパーの意義である。

最後に

現在、国内外で話題となっている「ノマド的な生き方」を複数挙げてきた。

毎日同じ職場に行き、同じ道を通って、決まった住居に帰る。そんな生活が「普通」という価値観が定着している現代。

にもかかわらず、続々とノマド的な生き方が登場している。一定数の人間は、人類が移動しながら生きていた原点へと回帰しているのではないか?

定住民がノマド化することで、新たに得られる経験や知識は確かにある。

ノマドに限らず、移動しながら生活を送ることが「異端」なことであると決めつけ、マイノリティだから悪いことと短絡的思考に陥ることが一番恐ろしいことである。

もしかしたら、現代人がノマド的な生き方になる未来が遠くないのかもしれない。

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